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中国が世界トップの生産拠点としての地位を維持 | 操業条件やコスト競争力の面で未だ優位に

Yuko Okayasu • 3/07/2020

ベトナムとインドがコスト競争力ランキングで上位に浮上 

グローバル不動産総合サービス会社のクッシュマン・アンド・ウェイクフィールド(グローバル本社:米国イリノイ州シカゴ、日本本社:千代田区永田町、C&W)は、「グローバル製造業リスクインデックス(MRI)」レポートを発行いたしました。同レポートは欧州、米州、アジア太平洋地域の48カ国の中でグローバルな製造業に最も適した立地先を毎年ランキングしており、中国は、操業条件とコスト競争力の観点から、世界的に最も魅力的な製造業ハブであり続けていると評価しています。

MRIレポートは、20の変数に対して各国をスコア化し、条件、コスト、リスクをカバーする3つの最終的な加重ランキングを構成しています。MRIを支えるデータには世界銀行、UNCTAD、オックスフォード・エコノミクスなど、さまざまな信頼性の高い情報源を含み、これらを複合的に分析しています。

ベースラインシナリオ

現在のパンデミックの影響を考慮せずに、操業条件とコスト競争力を等しく考慮したベースライン・シナリオ・ランキングでは、中国がトップの座を維持し、2位に米国が続いています。通信、ハイテク(世界で生産されるロボットの40%は中国製)、コンピュータに焦点を当てるためにバリューチェーンを拡大してきた多様化と相まって、中国の製造業は貿易戦争に対してある程度の回復力を維持してきました。

ベースライン・ランキング

国名

2019

2020

中国

1

1

米国

2

2

インド

4

3

チェコ共和国

6

4

カナダ

5

5

 

ジェイソン・トリバー(C&W、ニューコマース・リサーチ、グローバル・ヘッド)は次のように述べています。「中国と米国はどちらも大きな消費市場を持ち、連邦・国・州レベルで十分な労働力供給とインセンティブを提供しており、確立されたインフラストラクチャー・ネットワークもあります。生産プロセスへのテクノロジーの急速な導入により、米国とその高コスト労働力は、製造業の雇用をめぐって中国と競争するための調整を開始する可能性があります。」

コストシナリオ

コストシナリオでは、コスト削減を重視し、人件費を含めた運営コストが低い国を高得点としています。中国が首位を維持する一方で、ベトナムが2位、インドが3位に躍進しました。

コスト・ランキング

国名

2019

2020

中国

1

1

ベトナム

4

2

インド

6

3

マレーシア

3

4

インドネシア

5

5

 

東南アジアへの製造業のシフトは長い間続いています。中国の最低賃金が上昇するにつれ、衣類、玩具、靴などの労働集約型製品の受注がインド、バングラデシュ、ミャンマー、ベトナムなどの安価な場所へとシフトしてきました」と、クリスティン・リー(C&W、シンガポール・東南アジアリサーチ・ヘッド)は述べています。しかし、東南アジア諸国が製造業を誘致するために国を挙げて取り組でいるにもかかわらず、中国は道路、鉄道、海上輸送で効率的に商品を移動できるという明確なインフラ面での優位性を維持しています。」

リスクシナリオ

リスクシナリオでは、地政学的リスクの上昇を考慮しつつも、経済的・政治的リスクが低い国が有利とされています。このシナリオでは、2020年にカナダと米国が1位と2位にランクインしており、天然資源、潤沢な労働力、連邦政府と州のインセンティブ、大規模な消費市場、インフラに支えられていることを示しています。透明性、インフラネットワークへの投資、地政学的な懸念がないことが、シンガポールとドイツの順位の上昇に寄与し、それぞれ3位と4位となりました。

リスク・ランキング

国名

2019

2020

カナダ

2

1

米国

1

2

シンガポール

6

3

ドイツ

7

4

中国

5

5

 

2020年のMRIでは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が世界の製造業に与えた影響についての分析も含めています。拘束措置が緩和され、ビジネスが正常に戻り始めた後に製造業を再開できると予測される能力で各国をランク付けしています。この「持ち直し力」ランキングは、6つの主要な変数に基づいており、製造業の回復への貢献度の推定値に応じて重み付けされています。中国、タイ、韓国、オーストラリア、日本を含むアジア太平洋地域のいくつかの国は、回復が早いという点で上位4分の1に位置していると評価されています。

COVID-19とそれに伴う世界中の経済活動の混乱は、海外に移した生産拠点を再び自国へ移し戻すリショアリング(Re-shoring)の利点についての議論を再燃させました。しかし、理論上は実現可能であり、かつ望ましいとはいえ、大規模な再雇用は実際には現実的ではなく、当面は実現しないと見込まれます。それよりも、第二のパンデミックの波や第二のロックダウン期間が発生した場合のレジリエンスを構築するために、製造業者は、最も差し迫った二つの脆弱性、すなわち、材料や部品の調達とサプライチェーンの混乱に対処する可能性が高いとしています。
COVID-19パンデミックに対して製造業者が取る可能性が高い対策は以下の通りです。

  • 短期的には 製品・部品在庫の保有量を増やす。
  • 中期的には、部品の現地化や近隣国に移す『ニアショアリング(Near-shoring)』など部品調達の多様化を図り、在庫を増やしながら工場に近い場所で部品を調達する。
  • 長期的には、一部のセクターでは再調達を行い、工場と部品の供給元をより近くに配置し、サプライチェーンと生産ラインを再構築することで、ジャストインタイムの在庫管理を再び可能にする。

「現在のパンデミックは、世界の製造業に何が待ち受けているのか、多くの疑問を残しています」と前出のトリバーは述べています。「私たちは製造業の将来について心配していませんが、現時点ではいま生産されている製造業の部品と、操業可能な国や製造業者に最終的には支えられています。」

レポートをダウンロードするには、「グローバル製造業リスクインデックス(MRI)」ページをご覧下さい

 

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クッシュマン・アンド・ウェイクフィールドについて

クッシュマン・アンド・ウェイクフィールド(ニューヨーク取引証券所:CWK)は、オキュパイヤーとオーナーの皆様に有意義な価値をもたらす世界有数の不動産サービス会社です。約60カ国400拠点に53,000人の従業員を擁しています。プロパティー・マネジメント、ファシリティー・マネジメント、プロジェクト・マネジメント、リーシング、キャピタルマーケッツ、鑑定評価などのコア・サービス全体で、2019年の売上高は88億ドルを記録しました。詳しくは、公式ホームページ www.cushmanwakefield.com にアクセスするか公式ツイッター @CushWake をフォロー下さい。