レポート
APACデータセンター市場アップデート
H1 2025
アジア太平洋地域は2025年上半期を通じてデータセンター拡張の勢いを維持し、開発パイプラインに約2,300MWが追加されました。同地域の運用容量は現在約12.7GWで、3.2GWが建設中、さらに13.3GWが計画中です。
人工知能(AI)、クラウドサービス、設備投資は、アジア太平洋地域全体の主要テーマとして際立っています。各国政府と大手テクノロジー企業は、クラウド・コンピューティングと大規模言語モデル(LLM)の需要増に対応するため、政策とイノベーションを整合させ、AIインフラを加速させました。データセンター事業者は、AIワークロード用に設計された施設の建設を進めており、規制や地政学的な逆風にもかかわらず、この地域が世界のAIインフラのリーダーシップを確立する意欲を強めており、その基盤を強化しています。
資本市場は引き続き堅調で、アジア太平洋地域のデジタルインフラに対する投資家の信頼が継続していることを示しています。プライベート・エクイティによる買収の急増は、このセクターの長期投資としての魅力と、AIに対応したハイパースケール・プラットフォームに対する需要の高まりを浮き彫りにしました。
一部のハイパースケーラーが減速しているにもかかわらず、クラウドサービスプロバイダーは引き続き事業を拡張し、新しい地域やAIに焦点を当てた開発を開始し、アジア太平洋地域はデジタルインフラへの大規模な投資と技術革新を引き続き誘致しています。
本レポートでは、2025年上半期のアジア太平洋地域のデータセンター最新情報として、東京、シンガポール、シドニー、ムンバイ、香港、中国、ジョホール、ソウル、ジャカルタの8つの主要市場(都市)をカバーする一方、バンコク、デリー、台北、オークランド、マニラ、ホーチミンの6都市の二次市場についても、現在での運用能力の規模順に概観しています。
また本レポートには、アジア太平洋地域のデータセンター市場の成熟度指数(洗練された手法とデータ検証の追加作業による)も含まれており、今後10年間における同地域の30市場の潜在的な進化を予測しています。この指標は、既存および計画中のDC容量、空室率、主なDC運営業者の事業規模、個別資産単位でみた建設余力などの要素をパラメトリックベースで加重平均評価しています。
*すべての分析において、アジア太平洋地域にはオーストラリア、中国本土、香港、インド、インドネシア、日本、マレーシア、ニュージーランド、フィリピン、シンガポール、韓国、台湾、タイ、ベトナムのみを含みます。
アジア太平洋地域のデータセンターの今後の展開は?
アジア太平洋地域のデータセンターセクターに関する最新情報と、クッシュマン&ウェイクフィールドのデータセンター機能の詳細をご覧ください。