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東京オフィス・マーケットビート

Hideaki Suzuki • 18/08/2021

長引く経済活動抑制で出遅れる経済正常化

2021年1-3月期実質GDPの前期比は内外需共に縮小し年率▲3.9%と、再びマイナスに転じた。GO TOトラベルの停止や緊急事態宣言による消費弱含み等が響いた。東京都は今年に入り毎月緊急事態宣言下となっており、Q1は1月8日から3月21日、Q2は4月25日から6月20日、足元のQ3は7月12日から8月31日までを予定している。飲食店、ホテル・旅館、食品卸等の対面型サービス業を中心とした倒産件数増加が続くなか、建設業は需要が減少し、更にウッドショックの影響で飲食店に次ぐ二番目の倒産件数の多さとなっている。宣言慣れにより人流が減らないなか小売は一定程度回復してきている為今後の伸びは限定的であるが、ワクチン接種が進み10-11月に政府目標が実現した場合、対面型サービスは2022年以降徐々に回復する事が期待される。消費は弱含みの傾向が続く一方、海外経済回復を背景とした好調な輸出や、設備投資は持ち直しの動きが続いている。

空室率は7年半ぶり高水準

第2四半期の都心5区グレードAオフィス成約賃料は、前年同期から4.67%減少し36,773円となった。今期は千代田区にTOKYO TORCH常盤橋タワー、港区に日比谷フォートタワーが竣工したが、稼働率は90%を下回った。オーナー側の柔軟な条件提示により好立地や衛生面等トータルで評価の高いビルに需要が集まっている。テナントによる移転ニーズはあるものの、減床傾向は継続している。渋谷区ではDeNAの移転やKDDIの床返却が響き、募集面積と募集前のテナント退去予定面積を含む空室率は7.05%となり、前四半期からの上昇幅は5区の中で最も大きく3.44pt上昇した。供給が続く港区は空室率が最も高く10.18%、コロナ前0.13%だった新宿区はパンデミックによる影響を最も受け9.7%まで上昇している。中央区は6.84%、千代田区が3.47%と都心5区の空室率は高水準となり、加重平均で6.88%と7年半ぶりの高水準に達した。

縮小移転ニーズ増加で空室率は微増が続く

今年に入りリーシング活動は回復傾向を見せるが、縮小移転がその殆どを占める。ハイブリッド型ワークが定着する中、ABW導入等で従業員数に応じた面積確保の必要はなくなり、多くの企業で減床が進む。こうした動きを背景に従来型のオフィス面積は縮小傾向にある一方、フレキシブル・オフィスのシェアは拡大しており、この傾向は今後も続く事が予測される。過去リセッションの際は、倒産やリストラ、コスト削減を強いられる状況での解約により空室率が急騰したが、コロナ禍では新しい働き方へのシフトが足元の空室率上昇に影響しており、非常に緩やかな上昇傾向が続いている。またオーナー側は過去の様な賃料急落を懸念し、より早い段階で柔軟な対応を見せた為、高条件オフィスの割安感がリーシング需要回復を後押ししている。今年と来年の供給が低水準であるものの空室率は小幅上昇が続いており、将来の床需要増加の材料が見いだせないなか都心5区のオフィスマーケットでは2023年以降3年に渡る大量供給が予定されている。

New Supply Q2 2021 JPN

Rent and Vacancy Q2 2021 JPN

より高い市場代表性を追求するため、東京グレードAオフィスの定義を「都心5区/2000年以降竣工/貸床面積6,000坪以上/基準階面積500坪以上」へと変更し、新たに成約賃料と現在空室率を追加いたしました。

マーケットビート

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MarketBeat • Forecast - Outlook

Global MarketBeats

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1/09/2021
APAC Marketbeat
MarketBeat • Insights

日本 マーケットビート

「マーケットビート」四半期レポートは、主要マーケットおよびサブマーケットレベルで需給、価格動向、経済および商業不動産活動を分析します。
Hideaki Suzuki • 15/07/2021
developing-kai-tak-as-the-next-commercial-hub-in-hong-kong
MarketBeat • Insights

Hong Kong MarketBeat

Cushman & Wakefield MarketBeat reports analyze quarterly economic and commercial real estate activity including supply, demand and pricing trends at the market and submarket levels.  
7/07/2021
Shanghai
MarketBeat • Insights

Shanghai MarketBeat

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28/06/2021
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MarketBeat • Insights

Beijing MarketBeat

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28/06/2021
Data Center marketbeat
MarketBeat • Insights

日本データセンター・マーケットビート

東京は継続して新規投資を惹き付けており、プリンストン・デジタル・グループとVantageが初進出プロジェクトを開始した。さらに
大企業や政府機関向けのプラットフォーム構築を進めるハイパースケール企業の計画を中心に、合計130MWの建設が進行して
いる。土地取得に関しては決して容易なマーケットではないが、大規模な開発用地(および関連するゾーニングや許認可)が
整備されており、アジア太平洋のみならず世界的にも各マーケットでの制約が急速に進むなか有利な状況にある。
Todd Olson • 12/10/2021
Data Centres Real Estate Fund
Article • Data Center

データセンター投資と成功ファクターとしてのサステナビリティ

データセンターという新しい投資セクター
Hideaki Suzuki • 22/09/2021
Manhattan Office MarketBeat
MarketBeat • Office

米国マンハッタン・オフィス・マーケットビート

マンハッタン主要3マーケットにおける四半期ベースの新規成約面積は、パンデミック以降最高水準となったが、上半期では前年同期比29.3%減の590万sfに留まった。また同募集賃料は大量のサブリース供給が重しとなり、直近のピークである2020年第3四半期の$74.13/sfから5.4%下げ、$70.26/sfとなった。

Richard Persichetti • 27/08/2021
Warehouse Internal Rack
MarketBeat • Insights

日本物流施設マーケットビート

「マーケットビート」四半期レポートは、主要マーケットおよびサブマーケットレベルで需給、価格動向、経済および商業不動産活動を分析します。
Hiroshi Tsuruoka • 15/07/2021
APAC Marketbeat
MarketBeat • Insights

日本 マーケットビート

「マーケットビート」四半期レポートは、主要マーケットおよびサブマーケットレベルで需給、価格動向、経済および商業不動産活動を分析します。
Hideaki Suzuki • 15/07/2021
Cardboard-Retail
Article • Retail

アジア太平洋地域における路面店賃料ランキング

アジア太平洋地域の路面店市場における2020年の賃料データが出揃い、新型コロナウイルス感染拡大がリテール不動産へ与えた影響が明るみとなった。

Hideaki Suzuki • 19/05/2021
5G cardboard
Insights • Data Center

アジア太平洋地域のデータセンター需要を牽引する5Gの意義

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Hideaki Suzuki • 25/05/2021