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東京オフィス・マーケットビート

Hideaki Suzuki • 5/08/2020

GDP4-6月は戦後最悪の見通し

2020年第1四半期のGDPは前期比年率換算で2.2%減(二次速報改定時変更無し)となった。2019年10月の消費増税の影響を受けた同年第4四半期のGDPから2期連続のマイナスとなった。景気後退下での消費増税に加え、新型コロナウイルス感染拡大で人とモノが動かない状況が続き消費が落ち込んでいる。設備投資は二次速報値でプラス転換し、新型コロナウイルスの影響で法人企業統計の回収率の低さが懸念されたものの、8月3日の二次速報改定値はマイナス1ptに留まった。 物流では船や飛行機の減便、中国での足止め等で遅延が発生し、輸入減少によりコンテナ不足で輸出が出来ない状況が発生した事に加え、インバウンド消失が響き外需も弱含んだ。日本銀行の黒田総裁は6月末、4-6月のGDPは相当落ち込む事を示唆しており、日本経済研究センターによる「ESPフォーキャスト」ではリーマン ショックを下回る戦後最悪の23.53%減少が予測されている。3月の失業率は前年同期より2万人増加し、「勤め先や事業都合による離職」が4万人増となりコロナ禍による経済停滞が失業率を押し上げている。

中小型オフィス需要後退はテレワーク定着が重し

2020年第2四半期のグレードAオフィスビル平均賃料は38,133円で前年同期比1.61%増、空室率は1.74%で同0.33pt減。四半期比では賃料が0.61%減、空室率0.18pt上昇と若干の弱含みを見せた。現時点で賃料・空室率統計上に大きな変化は未だ見られないものの、都内のオフィスビルの募集予定区画は3月以降毎月増加傾向にあり、特に6月末時点では大幅な増加がみられた。背景には景気後退による中小企業の倒産及び業績悪化による解約や縮小に加え、リモートの定着によるオフィス縮小が起因する。東京商工リサーチによると1-6月の倒産件数は4001件で前年同期比は0.27%増と、2009年以来の前年比増加となったが、件数としては低水準である。解約を促している要因としては先行き不透明感を反映した固定費用削減と、テレワークへの移行が大きく影響している。日立製作所は来年春までにテレワークを標準的な働き方として適用、富士通では約8万人の国内グループ従業員を対象にテレワークを標準的な働き方と位置づけ、2022年迄にオフィス面積を半減する事を発表している。他、GMOインターネットG、東芝、オプトHD(現デジタルHD)、ドワンゴ、カルビー等多くの企業がコロナ後もテレワーク定着へと動いている。現状動きやすい中小企業が活発にテレワークへの切り替えを行っており、大企業は対応までに時間がかかる為グレードAオフィスの空室率増加は将来的に懸念されている。

新規供給ビルの稼働率は好調も二次空室増加が懸念される

2020年のグレードAオフィスビルの新規供給は12棟中9棟が竣工しており、成約率は高水準である。一方、移転の動きは乏しく、今年初旬まで見られていた企業規模拡大による面積拡張の動きは急激に減速しており、オーナー側のマインドが強気から弱気トレンド入りする可能性が高い。近年オフィス需要を高めてきたIT系企業から 注目を集めた渋谷エリアは、上段の通りテレワーク導入加速によって需要環境が一転している。スタートアップ系企業が集積している事もあり空室増加が急速に進む事が予測される。供給計画は今年で一旦落ち着くものの2023年以降3年間で過去最高水準となる供給が計画されている。マーケットが悪化に転じ、賃料が下落した後はテナントにとってビル・グレードアップの機会となり移転需要増加が期待できる。他方、テナントの需要構造は確実に変化しており、オフィスストック(在庫)の吸収率低下も念頭にディベロッパーは将来需給バランスの見直しが必要となるだろう。


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