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東京オフィス・マーケットビート

Hideaki Suzuki • 8/02/2021
マーケットビート オフィスマーケット Q4 2020 マーケットビート オフィスマーケット Q4 2020

景気悪化は持ち直すものの、緩やかな回復ペースに留まる

日銀による2020年度の実質GDP成長率見通しは11都府県の緊急事態宣言に経済対策を織り込み、従来予測から0.1pt低いマイナス5.6%へ下方修正された。2020年の輸出額は前年比‐11.1%となり、リーマン・ショック後2009年の‐33.1%、円高不況の影響を受けた1986年の‐15.9%に次ぐ落ち込みとなった。経済が再拡大する中国向け輸出が好調で12月は2年1か月ぶりに前年同月を上回ったが、新型コロナ感染者数再拡大により世界経済の回復は従来予想より鈍化する事が見込まれている。設備投資は業種間のばらつきがあるものの全体として下げ止まっており、個人消費は飲食及び宿泊等対面型サービスへの下押し圧力が強まっている。企業の資金繰りは厳しい状況が続き雇用環境は更なる悪化が見込まれる中、2020年に早期・希望退職者募集の実施を開示した上場企業は93社と前年から2.6倍増加し、2009年に次ぐ水準となった。コアCPIは既往の原油安やGo To トラベルキャンペーンの影響を受け12月は前年同期比1.0%のマイナス成長となり、今後も弱含む事が見込まれている。

上昇トレンドをたどる空室率

4四半期の都心5区グレードAオフィス募集賃料は、前四半期から1.95%減少し37,684円となった。空室率は同1.13pt増の4.22%と、世界金融危機の発端となる20089月リーマン・ショック時点の4.06%を上回った。オフィス開発が集中する港区は、前年同期から3.49ptと最も上昇し6%となった。次いで中小企業や営業支店が多く集積する新宿区では、過去の空室率動向からみても景気の影響を受けやすく、前年同期から2.88pt上昇し4.53%となった。渋谷区においては2.89(前年同期比+0.34pt)3%を下回る水準にあるが、2019年の大規模な新規供給をはじめIT企業が集積している事から、リモート導入率の高さが指摘されており、短中期的な上昇が予測される。千代田区は2.86(+1.97pt)、中央区は1.9(+1.39pt)と、現時点では他3区と比較しても空室率上昇は限定的だった。コロナのパンデミック長期化で、リモートワーク導入率増加や企業の財務状況悪化等により都心5区の空室率は今後も上昇が続き、賃料への下押し圧力となる事が見込まれる。

着実に変化するオフィスの需要構造

今年に入り11都府県に対する緊急事態宣言が発令されたが、昨年秋口からのリーシング需要に大きな変化はみられていない。新型コロナの影響によりオフィス環境の展望に不透明感が残る中、高条件オフィスへの縮小移転やサービスオフィスへの移転を検討する企業が増加している。短期契約の移転では移転コスト軽減の為、居ぬき物件の需要増加がみられる。従量課金制シェアオフィスの会員数も増加、郊外への進出もみられシェアを拡大している。固定費削減等でコロナ禍を乗り切り、終息に見通しが立った頃改めて立地戦略を計画する企業が多く、短期契約により将来的な移転の柔軟性を保持する傾向がある。また、電通や日通による本社売却検討等の報道をはじめ、企業による不動産売却が相次いでいる。昨年は三陽商会の東京・銀座旗艦店、全日空の研修施設、JT本社ビル、白洋舎大阪オフィス、エイベックス本社等が売却された。オフィス需要は着実に変化しており、今後は社員が多様な働き方を選べるフレキシブルオフィスが主流となり、ワークプレイスは一か所ではなく自宅やサードプレイス等複数の選択肢を含むエコシステムとなる事が予測される。


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