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日本リテール・マーケットビート 

Isao Suga • 20/07/2020

新型コロナウイルスの影響により個人消費が大幅減

日本全体の春期 (3-5月、速報値) 小売業販売額は、前期の外国訪日客数急減に加え、4月7日から5月25日にかけて発令された緊急事態宣言の影響で、前年同期比(以下同様)10.2%減と大きく縮小した。10%を超えた落ち込みは1998年3月の消費増税駆け込みの反動減以来となる。内訳によると、各種商品が32.5%減、そして織物・衣服・身の回り品が37.1%減と、非生活必需品の販売者は更に厳しい状況に直面している。全国百貨店売上高総額も3月が33.4%減、4月が72.8%減、5月が65.6%減と大幅下落、経営に打撃を与えている。また、販売額の成長が安定していた医薬品・化粧品も今期に入って、僅か0.5%増となった。5月末、緊急事態宣言が解除され、各店舗の営業再開が進むものの、第2波到来の懸念もある中、個人消費や経済の完全回復への道はまだ遠いと思われる。

銀座の賃料がついに下落、その他主要路面店マーケットも賃料を落とした

緊急事態宣言発令期間中、路面店やショッピングモール(SC)ともに、飲食店や生活必需品を扱う店を除き、多くの店舗が休業を余儀なくされた。6月に入り店舗が続々と営業再開したものの、人出の回復は鈍い状態が続いている。NTTドコモのデータによると、628日(日)15時の人流(訪日外国人除き)は、銀座では前年同月比(以下同様)42%減、新宿40%減、渋谷32%減、大阪難波28%減と、回復は約67割に留まる。訪日外国人に関しては、入国制限の影響で、4月、5月、6月共に99.9%減を記録、インバウンド主導の路面店マーケットを直撃している。第2四半期、銀座のプライム賃料が5%下落、心斎橋も前期に引き続き下がり、前年同期比16.7%減となった。名古屋の栄、京都四条通、神戸三宮、札幌や仙台もプライム賃料下落した。また、大手SCにおいては、賃料減免等の動きがみられた。丸井においては休業期間中の賃料全額免除・ルミネやイオンモールは3月以降のコロナ禍中における最低保障賃料の減免を発表。第2波が懸念される中、新宿、表参道や池袋等の首都圏主要マーケットも今後賃料を下落させると予想。

新規施設開業が相次ぐなか、ウィズコロナにおける新たな小売形態が注目される

東京オリンピックの1年延期が決まったなか、元々オリンピックに向けて開業を目指した施設は、一部開業遅延もあったものの6月中に相次ぎオープンした。IKEAの日本初都市型店舗が出店した「ウィズ原宿」、新駅と直結した「虎ノ門ヒルズ ビジネスタワー」や旧京都中央電話局の洋館を活用した「新風館」等、話題になった新規施設も多い。また、アウトレット2施設の拡大やリニューアルもこの時期に開業した。営業再開の店舗を含め、ウィズコロナ時代における店舗づくりの工夫が始まっている。3密(密集、密接、密閉)をつくらない、手指の消毒設備の実施、常時換気の徹底等は既に営業の基準になった。また、都心店は在宅勤務継続や都心への外出回避のため、復調が鈍い一方、郊外店舗の回復が想定以上と報告されている。今後の店舗戦略見直しや小売形態の変化が注目される。

 

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