Share:

小売業の信頼回復:将来を見据えたリテールブランドが検討すべき戦略

Barrie Scardina • 10/04/2020

 小売業の信頼回復:将来を見据えたリテールブランドが検討すべき戦略

COVID-19流行によって、私たちの世界へ変化を強いられていることに疑いの余地はないでしょう。そのようななか私たちは、変化を起こそうと立ち上がっている小売業界のイノベーターや慈善家から日々刺激を受け続けています。メーカーはマスクやガウンを作り、レストランは緊急対応者や困窮家庭に食事を提供し、リテールブランドは暗いニュースが続く中で喜びをもたらそうとコンテンツ制作に取り組んでいます。

リテーラーは今の期間に「ウイルスが封じ込められたときに、どのように顧客との関係を再構築するか」について予測し、戦略を立て始めることも重要です。彼らは、他の国での経験を参考にしたり、自身の事業環境にあわせて教訓を微調整したりすることができるでしょう。リテーラーが店舗の再開計画を模索するにつれて、消費者との関係再構築はより複雑になりますが、新たな安全衛生基準をいち早く導入することができれば相互信頼感をさらに高めることに繋がります。リテールブランドは扉を再び開けた時に成功できるよう、コミュニケーションと運用計画の構築に今すぐ着手すべきといえるでしょう。

「COVID-19後」の世界に備えるために、リテーラーは次のことを検討する必要があります。

  • 店舗環境への取り組み: リテーラーは、店舗の面積から器具の間隔、換気、温度管理まで、店舗環境のあらゆる側面を見直す必要があります。安全な買い物をするためには、狭い通路や人が集まりやすい配置を廃止して、店内の顧客数を調整するなどの戦略を練る必要があります。大型小売店や食料品店はすでに1平方フィートあたりの人数を管理していますが、問題は顧客の安全とのバランスを取りながら、生産性を通常レベルに戻すことです。カーブサイド・ピックアップ(オンラインで注文した商品を指定されている店舗駐車場にて店のスタッフから受け取るサービス)、BOPIS(オンラインで注文した商品を店舗で受け取る「バイ・オンライン、ピックアップ・インストア」)、また地元の店舗からの配送といった運用計画を実施されることで、売上高が押し上げることが可能です。

 

  • テクノロジーの統合と実施: ウイルスの拡散を緩和するために「タッチレス(非接触)」環境導入を理解することが最も重要になります。非接触テクノロジーを店舗体験と支払いプロセスに組み込む必要があるでしょう。人工知能(AI)や仮想現実(VR)によって、消費者は衣服からアイシャドウ、口紅に至るまであらゆるものをテスティングできるようになります。ノードストロームは、消費者向けテクノロジーをいち早く導入した企業の1つであり、店舗環境におけるオムニチャネルの取り組みと顧客統合テクノロジーを通じて、シームレスな顧客体験を実現しています。これらの投資は、ブランド体験を補強し、そして強化するために、慎重に統合される必要があります

 

  • データと分析の活用:CRM、モバイル、および業界のデータは、店舗、モール、ジム、および映画館に戻ってくる消費者の準備度を理解するために不可欠です。このデータを活用することで、ブランドは消費者を引きつけ、彼らの懸念に耳を傾け、彼らのニーズに積極的に取り組むことができます。第三者プロバイダーからのデータは、リテーラーに市場での優位性をもたらすでしょう。これには、在庫効率と利益率を向上させるための製品へのロイヤルティに関する洞察、店舗コストを削減するための人件費と業務上の統計、ポートフォリオの最適化、店舗合理化、リース管理などが含まれ、ブランドが最も生産性の高い実店舗ポートフォリオ構築を手助けするでしょう。

 

  • 透明性と信頼性のあるコミュニケーション:コミュニティを最優先するブランドは、信頼性、透明性、慈善活動の点で、この危機のずっと後にも記憶されるでしょう。緊急対応者を支援し、困窮する人々に食事を提供し、困難な時期に支援、共感、希望を提供するために一歩踏み込むなどの地域貢献の姿勢に、消費者は価値を見出します。たとえば、消毒剤を自社施設で代替製造し赤十字社に寄付するアンハイザー・ブッシュから、人々の健康を維持するために無料のオンラインワークアウトを主催しているナイキルルレモンまでさまざまです。消費者は、ブランドが顧客を最も大切にしており、効果的な戦略を実行する企業は、顧客のロイヤルティ獲得と売上への寄与によって報われると信じています。

このパンデミックによって世界が大きく変わることは確かです。また、リテーラーが新しい基準と顧客の期待に応えるために、戦略を立て直し、再設計し、事業を再活性化していくことも確かであるといえます。これらの検討を始めた先見性のあるブランドは、消費者が再び来店を始めたときに成功する姿勢を整えています。私たちの尊敬するフレッド・ロジャースもこう言っています。「しばしば、自分が何かの終わりにいると思うとき、そこには新しい何かの始まりでもある」と。

これは、シリーズ 「小売業の信頼回復」 の最初の記事です。同シリーズでは消費者の行動に対するCOVID-19の影響と、リテーラーがこれらの新しい課題に対処するためにどのように進化できるかを探ります。